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A Precious New Year(1)

新年にエモいラカノアを書くんだ!というお達しがあったので書きます。多分4回くらいで終わります。
例によって推敲前のものなので、支部にアップするときに直すと思います。
 大晦日のどんちゃん騒ぎも終わって、ほとんどの乗員が寝静まった深夜。ラカムは新年を迎えたばかりの夜空を航行していた。操舵室ではなく甲板で舵を握っていることに深い意味はない。なんとなく、ひとりで、ぬるい夜風に吹かれたいと思っただけだ。
「ふぅ……」
 誰もいない空に、ため息と煙が溶けゆく。

 ジータとルリアが、「この一年やり残したことはないか」と尋ねてきたのは今日の昼、すなわち去年の暮れだった。
 屈折した思いと決別してポート・ブリーズを旅立ってからは、何事も後悔しないように選択してきたつもりだ。それでもこうして思いを巡らせてみれば、やり残したことに気がついてしまう。

「喜んでいたよ」 
 白い笑顔の記憶は、クリスマスの翌日のもの。
 クリスマスパーティは滞りなく終わった。きらびやかに着飾ったグランサイファーも、仲間たちに囲まれて嬉しそうにしていたとノアは言った。

 聞けなかった――「お前は?」と。

 ノアは団員たちのお祭り騒ぎにしっかり協力している。季節のイベントのとき、新しい団員を迎えたとき、大きな仕事を終えたとき。輪の中心ではなく、外周をぐるりと回って全体を見渡し、穴を埋めて、団の皆が楽しめるように準備を盤石のものにする。いつもそうだ。彼自身が楽しさの中心にいることはない。とはいえ、それでいいのかと尋ねたところで、「楽しいよ」と言われてしまうだろう。
 いつだってノアの言葉は煙のようで掴みきれない。

 ノアの、むき出しの本音が聞きたい。
 それがラカムの「やり残し」だった。

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2017-01-06
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