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ぬいものがたり(2)

しばらくぶりの更新になってしました。
ぬいぐるみの現物は手に入れました。可愛い。
 ランスロットは、ダヌアから受け取ったぬいぐるみと共に自室へと戻った。
「ぬいぐるみかぁ」
 さすがに鎧の造形は難しかったらしい。ぬいぐるみの二人は、以前シェロカルテの店で展開したブランドのパーカーを着ていた。モデルを務めたお礼にと一着ずつ譲り受けてからは、肌寒い日の上着として使わせてもらっている。ヴェインがこれを見たら何と言うだろう。
 ランスロットが借りている部屋は、ヴェインとの相部屋だ。騎空団の団長が実に多種多様な人材を連れてきてどんどん団員が増えるため、中型騎空艇のグランサイファーはかなり手狭になっていた。そこで、縁のある者同士はできる限り同室にするということらしい。そういうわけで、ランスロットは当然ヴェインと同室となった。
 しかし、今日の部屋にはランスロット一人である。ヴェインは今、騎空団に持ち込まれた依頼をこなすため、泊まりがけで出かけているのだ。
 一日の終りに、ランスロットは二つのぬいぐるみをそっと枕元において目を閉じる。ぬいぐるみたちは、あと何日か続くであろう一人寝の夜を慰めてくれるだろう――



 と、思われたのだが。
「どういうことだ……? 何が起こっている?」
 翌朝ランスロットが目を覚ますと、片付いていたはずの部屋がめちゃくちゃに荒れていた。
「盗み……に、入られた、のか? いや、しかし……」
 いくら眠っていたとしても、ランスロットが侵入者の気配に気が付かず、そのまま寝こけているなどありえない。いついかなるときでも敵や侵入者の気配にすぐに気がつけるように訓練してきたのだ。
 だが、盗みに入られたことを裏付ける決定的な証拠を、ランスロットは見つけてしまった――あるものを、『見つけられなかった』のだ。
「ない……俺の、ぬいぐるみ……」
 昨日ダヌアから受け取ったはずの、自分に似たぬいぐるみがない。ヴェインのぬいぐるみの隣に眠らせたはずのぬいぐるみが、いない。
「くそっ! 昨日の今日でなくなるなんて、そんな話があるか」
 これでは、ぬいぐるみを作ってくれたダヌアに申し訳がたたない。ランスロットは、考えを巡らせた。
 この艇には、ランスロットの想像を超える力を持つ乗員が何人もいる。とすれば、眠っているランスロットに気づかれず、ぬいぐるみだけを持ち去ることが可能な人物も――

「いる、な……」

 最初に思い浮かんだのは、近頃この艇によく出入りしている、稀代の大怪盗の顔だった。

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2016-11-01
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